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消費税について

更新日:2023年11月22日

法人に課せられる税金には、以下のようなものがあります。


国税

法人税、酒税、たばこ税、揮発油税、石油ガス税、自動車重量税、自動車取得税、印紙税、登録免許税、消費税


地方税

法人住民税、法人事業税、特別法人事業税、不動産取得税、固定資産税、地方消費税


他にもまだあるかも知れませんが、よくもまぁ、税金を取るためにあの手この手で考え出したものだと感心します。


2023年10月1日からインボイス制度が始まるとのことなので、消費税について深く考察してみました。なおこの記事では、消費税率を一律10%としていますのでご了承ください。



 

そもそも消費税とはなに?


消費税については、一般的には”最終消費者が負担するもの”とされています。

事業者の仕訳では、税抜方式を採用している場合は、「仮受消費税」や「仮払消費税」といった勘定科目を使います。税込方式を採用している場合は「租税公課」を使うことになりますが、納税額が分かりにくいなどの課題もあります。

いずれにしても、あくまでも事業者の損得には影響しないものと言われています。

(でも実際には、消費税の取り扱いで余計な業務コストという損失が発生します。)


事業者が顧客から売上代金を得たときには、税抜方式であれば 売上高×10% を消費税として追加でお支払いしていただくことになります。税込方式であれば 売上高÷11 が消費税であると強制的に見なされます。

1989年の消費税3%の導入から2年間は、例えば「当店は消費税を頂きません」というような売り方もできたのですが、現在は顧客から消費税をもらわないという選択肢は葬り去られています。


では、顧客側の立場で考えてみましょう。顧客が目にする価格は総額表示であり、顧客の関心は、消費税が幾らなのかではなく、トータルの支払額にあります。

顧客の支払額は、事業者と顧客との関係における立場の強さ弱さ、希少性、季節要因、商習慣、交渉の上手い下手など様々な要素により決定されることになります。

このあたりについては、事業を行っている人であれば肌感覚で理解できると思います。

そして、平成2年3月26日東京地裁の判決では、消費税は事業者の預り金ではなく対価の一部であることが確定しています。

つまり、自由経済の基で事業者と顧客が合意した商品やサービスの対価については、消費税もその対価に含まれるということです。


以上、消費税とは何かをまとめると、『民間の商取引において事業者が得た対価の 11分の1 を問答無用で納税させようとするもの』と定義することができます。



 

消費税の本当の姿について


次に、事業者の視点で消費税をより詳しく考えてみます。

これは、損益計算書を模式的に図にしたものです。

図中の赤色文字のUGK1、K2は消費税を伴う取引となります。

一方でK3、K4、K5は消費税を伴わない取引です。


納税しなければならない消費税額は、

仮受消費税 - 仮払受消費税

であり、図中の記号で表すと次のようになります。


仮受消費税 = U ÷ 11

仮払消費税 = (G + K1 + K2) ÷ 11


仮受消費税 - 仮払消費税

= { U ÷ 11 } - { (G + K1 + K2) ÷ 11 }

= { U - (G + K1 + K2) } ÷ 11


ところで、次の計算式を見てください。

U = G + K1 + K2 + K3 + K4 + K5 + R

ちなみに赤字の場合は ”R<0”なのですが、この計算式は成り立ちます。


納税しなければならない消費税額について、もう少し計算を進めますと、、、

= 仮受消費税 - 仮払消費税

= { U - (G + K1 + K2) } ÷ 11

= { G + K1 + K2 + K3 + K4 + K5 + R - (G + K1 + K2) } ÷ 11

= { K3 + K4 + K5 + R } ÷ 11


お分かりでしょうか。

消費税を伴わない取引であるK3、K4、K5と、利益のRに対して、その11分の1を搾取されるのが消費税ということなのです。


K3 … 租税公課とは、自動車税、収入印紙、登記事項証明書などです。これらの費用を支払うときは消費税の対象外だと思っていましたが、実はしっかりと徴税されるのです。

K4、K5 … 人を雇用すると、その給与の約15%は社会保険税(勘定科目では法定福利費)として課されるだけでは済まず、追加で消費税も徴税されるのです。

ちなみに年収400万円で人を雇用する代わりに、報酬400万円で外注化したらどうなるでしょうか。年収400万円の社員の社会保険税として、会社は約60万円の負担を強いられます。一方で報酬400万円の外注費については、そのうち約36万円を消費税として払ったことになります。したがって、雇用を外注に切り替えると約96万円のキャッシュフローが改善されます。消費税率が高いほどこの傾向も高くりますので、企業が正社員の採用に慎重になるのも当然です。

R … 利益に対して法人税などが課せられるのですが、さらに消費税もしっかりと徴税されるのです。

ガソリン税と同様、二重課税がここにも存在していました。



 

インボイス制度と免税事業者について


当法人は、2023年7月3日に設立しましたので、少なくとも第2期決算日(2025年6月30日)までは免税事業者として振舞うことが出来る権利があります。消費税は預り金ではなく対価の一部であり、上記の計算式の通り非課税取引に対して課税されるものであることが分かった以上、当法人は、能動的に消費税課税事業者にはならないこととします。


ちなみにですが、免税事業者は『消費税をポケットに入れているのでけしからん』という論調があるのは承知しています。では、給与所得控除で所得税額が低くなっているのもけしからんのでしょうか? 譲渡益が50万円以下の時に譲渡所得税を払わないのはけしからんのでしょうか? 何か反論があれば、ぜひとも聞きたいものです。


ところで、インボイス制度が始まってしまうと、お客様にとっては、当法人に支払ってくださった消費税相当額を税務署に認めてもらえず、その結果負担が増えてしまうという問題が生じます。

売り手側からすると対価の11分の1は強制的に消費税とみなされるのにも関わらず、買い手側になると支払額に消費税が含まれていることが認められない。こんな阿保戯けな解釈を国民に押し付ける財務省、税務署って何なんでしょうか。



 

2023年10月1日から最大3年間の取引について


当法人は2023年7月に設立しましたので、一定の条件のもとであれば2025年6月までは免税事業者となり得ます。とは言え、お客様が消費税の二重払いを強いられることは、大変心苦しく思っています。

どうやら3年間は”2割特例”という緩和措置があるようですのでこれも考慮し、当法人では当面の間(最大でも3年間)は以下のような措置を講じることにより、お客様にも不利益が生じないようにします。

  • 当法人は、当面の間は免税事業者を継続します。

  • 次のすべての条件に当てはまる場合は、ご請求金額から『インボイス値引き』として一定額を値引きします。

    • お客様について : 法人であり、インボイス登録事業者である

    • ご請求金額(立替金を除く) : 1万円以上、ただし当HP掲載の料金表の基づく

    • 請求書 : 電子ファイルでのみ発行

    • 領収書 : 口座振込の時は発行しない 現金払い時は電子ファイルでのみ発行

  • お客様がインボイス登録事業者であるかどうかは、当法人の請求書発行日時点で国税庁の公表サイトに掲載されていることを条件とします。

  • 『インボイス値引き』は、当法人の税込売上額に「0.01818」を乗じた額とします。



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