入管の審査が長すぎることについて
- 今田喜信
- 4月5日
- 読了時間: 4分
更新日:4月7日
入管に申請した後、「まだ許可出ないんですか?」というお問い合わせや、「いつ審査が終わるかを入管に聞いてください」というご要望を頂くことが多くあります。入管から許可が出るまでの期間、外国人の方は不安定な立場が続くことになりますし、企業にとっては人員計画にも影響してしまうことは百も承知しておりますが、結論から言えば、待つしかありません。
審査がいつ終わるかを入管へ質問する方法は、2通り考えられます。
1つ目は電話する方法です。しかし、東京入管の場合は電話しても100回中99.9回はつながりません。千葉出張所でも似たような感じです。
当法人では一日中電話をかけ続けることはできませんので、入管への電話問合せのご依頼はお断りしております。
もしご自身で電話したいという場合は、審査部門の電話番号と申請受付番号が必要ですのでお知らせください。
2つ目は、入管に行って窓口で質問する方法です。東京入管では1時間~1.5時間くらい順番を待って、審査官に質問することができます。千葉出張所の場合の待ち時間は30分~1時間くらいでしょうか。質問を受けた審査官は、窓口から奥の部屋に戻って一応調べてくれているんだろうとは思うのですが、結局「審査中なのでしばらくお待ちください」という回答に必ずなります。
もしご希望されるのでしたら、当法人が入管に行って審査状況を直接聞くこともできますが、交通費と半日ほどの時間がかかるので15000円でお受けしております。
もしご自身で入管に行って直接質問したい場合は、審査部門と申請受付番号が必要ですので、分からない場合はお知らせください。
なお、何か他の用件があって当法人が入管に行く機会があれば、合わせて審査状況を質問することは可能で、この場合は料金はいただきません。(ただしその頻度は2か月に1回程度です。)
入管がどのように審査を進めているかについて、少し解説します。
入管へ申請して受付番号を発行した後、「振分け担当者」という役割の担当者が、A案件~D案件のどれかに振分けを行います。
A案件…許可(交付)相当の案件
B案件…慎重な審査を要する案件
C案件…明らかに不許可相当の案件
D案件…資料の追完を要する案件
A案件に振り分けられた場合は、決裁権限者の決済を待つこととなります。もちろん、決裁権限者が差し戻しをしてB案件などに変わる可能性もあるかも知れませんが、そうでなければA案件が最も審査期間が短くなります。
D案件で追加資料が提出されたら、ABCのどれかに振り分けられます。しかし、再び追完資料を要する場合はD案件となります。
どのような場合にA案件になるのかは、入管の審査要領では、就労系在留資格の申請について以下の内容のみが開示されており、10日程度で決裁をするとのことです。(東京入管でも10日間で決裁してるとは思えませんが。。。)
・ 就職先企業が過去3年間不許可が無い、または上場企業や同程度の大企業
・ 高度専門職1号に関する案件
これらは幾つもある要件の一つに過ぎず、他の要件は開示されていません。しかし経験上いえることは、中小企業への就職の場合はその多くがB案件と考えても良いかと思います。
では、B案件となって何を審査しているのかと言うと、例えば技人国の場合は以下のようなことです。
・ 申請者や企業の法令上の違反の有無
・ 雇用関係や契約の実態と安定継続できるものかどうか
・ 業務内容が現場作業に該当しないか
・ 学歴要件or職歴要件を満たしているか、その疎明書類が正しいものか
・ 留学からの変更の場合、出席状況や資格外活動の違反有無
・ 家族滞在の家族がいる場合、家族の素行や法令上の違反の有無
入管は、審査期間の実績を公表しており、こちらのURLから確認できます。
しかしこれは自己弁護のための資料としか思えません。これは全国平均であり、東京入管の場合は少なく見てもこの3倍の日数は要しているのではないでしょうか。
以下、審査に長期間かかってしまう理由についてあげてみました。
全国のオンライン申請の審査が一か所に集中して混雑している。
そもそも日本では様々なことが東京一極集中しており、在留資格申請も東京は非常に件数が多く、入管の処理能力が追い付いていない。
中小企業の就労関係の場合は慎重に審査される。
入管の審査完了のデッドラインは、在留期間の2か月後(=特例期間)までであることから、在留期間が十分に残っている変更申請や認定証明書の申請を後回しにしている。
なお、2024/10/16に入管がHPにてこのような情報発信をしています。
要約すると以下の通りです。
個々の審査状況について回答はしません。
入管から審査完了の連絡をするまで待ってください。
民間企業であれば、顧客離れを防ぐために業務合理化やリソース補充などの対策を練るはずですが、お役所では競争原理が働かないので、どうしようもないですね。
残念ながら、審査が完了するまで待つしかないようです。

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