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在留資格について

在留資格とは”外国人が合法的に日本国に滞在することが出来る資格”のことで、法律で29種類が定められています。数が多いので分かりにくいと感じる方も多いでしょう。(かく言う私も初めはそうでした。)


この記事では、在留資格について思うことをいくつか書き出してみたいと思います。


先ず、在留資格は、定義の仕方にもよりますが大きく3つに分類することが出来ます。

  1. 身分系(4種類) 身分や地位に基づくものであり、就労制限なし。 「永住者」、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」、「定住者」

  2. 就労系(19種類) 一定の範囲内の就労活動が認められたもの。 「技術・人文知識・国際業務」、「経営・管理」、「高度専門職」、「特定技能」、「技能実習」、「企業内転筋」、その他

  3. 非就労系(5種類) 原則として就労できないもの。 「留学」、「家族滞在」、「短期滞在」、その他

在留資格の基本的な考え方としては、外国人の権利ではなく、あくまでも行政による許可だということです。特に「2. 就労系」と「3. 非就労系」については、法令で定められた活動のみ認められており、包括的な活動が認められているわけではありません。

例えば「経営・管理」は会社の経営者として、または相当規模の会社の上級管理職としての活動が認められているのであり、被雇用者の業務に該当するような現場作業を行うことは認められません。

そして在留資格の審査においては、要件さえ整えば必ず許可されるというものではなく、法務大臣に広範な裁量があるものとされています。


在留資格によっては細分化されるものがあります。概ね、1号で一定の経験を経て2号や3号に進むようになります。

「高度専門職」1号イ、1号ロ、1号ハ、2号

「特定技能」1号、2号

「技能実習」1号、2号、3号


ところで種類の数ですが、4+19+5=28 となっています。1つ足らないのは「特定活動」という在留資格で、簡単に言うと”その他”です。在留資格を法律で定めるためには多大な時間をかけて国会を通す必要があるため、行政(法務大臣)が柔軟に対応出来る仕組みとして特定活動が活用されています。

「特定活動」は、 ① 法務大臣が告示したもの … ”その他”を類型化した約50種類

② 告示外のもの … つまり”その他”の”その他”

とあるのですが、①と②を意識することは少ないと思います。

具体的には、ワーキングホリデーによる来日、オリンピック施設の建設作業員の一時的な受け入れ、ウクライナ避難民の受け入れ、在留資格の審査の不許可後の出国準備などがあり、就労可の場合も不可の場合もあります。


もう一つあります。上記29種類は「出入国管理及び難民難民認定法」(略称「入管法」)で規定されたものですが、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」(略称「入管特例法」)で規定された「特別永住者」です。

これは、1952年のサンフランシスコ平和条約後、一律に日本国籍を離脱することになった朝鮮人および台湾人に対して、日本政府が認めた在留資格です。


「永住者」以外の在留資格は、必ず在留期間が定められています。在留期間は最長でも5年ですが、各在留資格ごとに決められています。例えば「技術・人文知識・国際業務」は5年、3年、1年、3ヶ月の何れかです。

東証1部上場のような大きい会社に就職した外国人であれば、最初から3年が許可されるかもしれませんが、ほとんどのケースで最初は1年になります。


さらに加えると「帰化」があります。これは「国籍法」を根拠法とするもので、我々行政書士の立場からすると在留資格とは全く性質の異なるものなのですが、外国人の方にとっては永住か帰化かで悩まれる方も多く、許可要件も共通のものが幾つもあります。



当事務所へのご相談や受任では、以下のようなケースが多くなっています。

  • 「技術・人文知識・国際業務」… 就労系の在留資格で会社に就職したい or 外国人を雇用したい

  • 「経営・管理」… 自分でビジネスを起こしたい

  • 「永住者」… 生活基盤が日本に根付いていて、今後制限なく就労したい

  • 「帰化」… 生活基盤が日本に根付いていて、子供も日本で生まれ育っている

  • 「特定技能」… 現場作業の労働力を確保したい

  • 「特定活動」… 初めからこの在留資格を希望する方はほとんどいません。他の在留資格へのつなぎが多いです。





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